メインコンテンツへスキップ
  1. 気まぐれな呟き/

梅仕事

·2 分

天気予報アプリのアイコンというのは、なぜあんなに楽観的にできているのだろう。

太陽のマークひとつとっても、ふちが少しギザギザした、いかにも「よく晴れています」という顔をしている。あれを見るたびに、私は「本当か」と疑うようになった。信用していないわけではない。ただ、経験上、あのアイコンと実際の空模様が一致した試しがあまりない、というだけの話である。

そもそも土用干しというのは、梅を三日三晩、ひたすら天日にさらす行為である。三日「三晩」というのがミソで、夜も外に出しっぱなしにして夜露にあてる、という説と、夜は取り込むべきという説とがあり、これはもう流派の違いとしか言いようがない。

それはさておき。

うちには梅雨入り前に、粗塩で漬けた梅がある。あとは干すだけなのだが、これがまったく干せていない。例年なら七月の連休か、八月の夏休みの晴れた日を狙うのだが、今年は雨続きでその日が一度も来なかった。

土日にでも、と思っていたら、平日だけ律儀に晴れて、土日はきっちり雨が降る。まるで誰かが意図的に配置したスケジュールのようで、腹立たしいを通り越して感心してしまう。

かといって平日に干すのも無理がある。ザルに広げて出社し、日中に雨が降られたら、それまでの梅仕事が水の泡である。もう一段乾かしを待たされている柿の種を思い出したりもするが、それとこれとは話が違う。

乾燥機を買おうか、と一瞬本気で考えた。だが梅干しは、乾いていればそれでいいという食べ物ではない。あの、さんさんと降り注ぐ日差しを浴びてこそ梅干しなのであって、機械の温風では、たぶん梅の方も納得しない。

塩分濃度は20%とちょっと。赤紫蘇は使っていないので色は赤くならないが、これは正真正銘、昔ながらの梅干しである。干し上げた年はまだ塩の角が立っていて、食卓に上がるのは最低でも1年寝かせたあとになる。

そこまで考えていたら、口の中が唾液でいっぱいになってきた。

ご飯が食べたい。