私は最近、小皿というものの容積について頻繁に考えるようになった。
小皿の直径は6センチほどだろうか。この6センチという数字に、特に根拠はない。ただ、私が毎晩、柿の種をすくい取るために使っている皿が、だいたいそれくらいの大きさだというだけの話である。
柿の種、と言ってもピーナッツの入っていないやつだ。あれを大きな容器に移し替えて保管している。なぜ移し替えるかといえば、小袋のまま買うと割高だからで、これは節約というより、ほとんど経済合理性の追求と呼んでいい行為だと思う。1kg入りの、業務用に近いような袋を買ってきて、蓋つきの容器にざっと流し込む。あの、米びつに米を移すときに似た、なんとも言えない満足感がある。
問題は、その満足感の持続時間である。
容器を満たした直後は、当然ながら私は満ち足りている。人生における柿の種残量が、最大値を記録しているからだ。ところが、この満タン状態というのは、私の生活の中では極めて短い。任天堂Switchでゲームをしている合間に、小皿に一掬い。テレビを観ながら、また一掬い。酒を飲みながら、さらに一掬い。柿の種を摂取するタイミングというのは、要するに「手が暇なとき」のほぼ全てであって、これは裏を返せば、私の一日のうち、手が暇でない時間がいかに少ないかを証明しているようにも思える。
それより最近は、ジャイアントコーンを混ぜている。ピーナッツの代わりに、である。煎餅の固さとも違う、あの独特などっしりした歯ごたえと、じわりとした甘みが、柿の種の醤油味の中に紛れ込んでくると、口の中で妙な平和が訪れる。ジャイアントコーンは、明らかに柿の種の世界に属していないはずの部外者なのだが、いつのまにか馴染んでしまっている。
近頃、3袋まとめ買いをするようになったのは、単に、無くなるのが早いからだ。それだけの理由で、私は今夜もまた容器の蓋を開ける。仕事が忙しい週ほど、この自堕落な時間が、なぜかいっそう良いものに感じられる。良いのか悪いのか、それについて考えるのはまた今度にしたい。
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