蝋燭一本の計測2026年5月19日·2 分蛙鳴町奇譚 スパイス コポー 五月の雪 香育の日五月の午後、ケロミの歌がもう一曲分だけ長くなりすぎた。 最初の綿毛が、スパイスの工房の換気窓から音もなく滑り込んできた。ふわ、と橙色の灯の中を漂う白い粒を見て、スパイスは静かに「ああ」と言い、それから計測器の液晶が消えていく順番を眺めた——端の小さなメーターから順に、夢の中へ落ちていくように。棚の奥の古い受信機だけが最後まで残り、ドク、ドク、と脈打ちながら体温を保ち、それからゆっくりと静かになった。