まだ半分ある2026年7月1日·2 分蛙鳴町奇譚 コポー ミニコー ワールドカップ 霧雨 夏七月の最初の朝は、霧雨ではじまった。 コポーは、スパイスの工房から無断で借りてきた古い短波ラジオを、龍神様の池のほとりにある平たい石の上に据えた。アンテナを精一杯伸ばしたものの、届いてくるのは遠い空の雑音だけだった。ラジオの外側には、古いテープで「スパイス物品・無断持出禁止・三日腹ぺこの刑」と書いてある。コポーは気にせず、ダイヤルを右に一ミリ、また一ミリと回した。