声が出ない歌姫2026年3月7日·1 分蛙鳴町奇譚 ケロミ コポー 花粉症記念日 消防記念日三月の風が広場を横切るたびに、ケロミはくしゃみをした。 「……っくし! っく……」 「大丈夫か?」 コポーが恐る恐る近づくと、ケロミが涙目で首を振った。声が出ないわけではないが、いつもの透き通った音とは違う。かすれた空気が、言葉の端にまとわりついていた。