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消防記念日

2026

声が出ない歌姫

三月の風が広場を横切るたびに、ケロミはくしゃみをした。 「……っくし! っく……」 「大丈夫か?」 コポーが恐る恐る近づくと、ケロミが涙目で首を振った。声が出ないわけではないが、いつもの透き通った音とは違う。かすれた空気が、言葉の端にまとわりついていた。