島の声が届く日2026年6月23日·2 分蛙鳴町奇譚 沖縄慰霊の日 台風 キリガミネン マスクメン ケロミ梅雨の湿気の奥に、台風の気配が忍び込んでいた。 蛙鳴町の駅のホームでは、キリガミネンが白い体を柱に預けて、じっと南の空を見上げていた。いつもならば往来する人々の間にひんやりとした空気の島を作るだけで十分な彼が、今日は珍しく、誰かに話しかけたそうにしている。雲の淵がほんのり橙を帯び、風は湿っているのにどこか低く、重い。