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工房

2026

天の返信

スパイスが人工の雪の結晶を完成させたのは、五月の末の深夜であった。 工房の中央に据えられた旧式の冷却ユニット——都会のデータセンターから廃棄されたコンプレッサーをスパイスが魔改造したもの——の中で、細い銅線の先に、完璧な六角形の氷が育ちつつあった。温度はマイナス十五度。湿度は九十三パーセント。数値はスパイスの手製モニターに逐一映し出されていたが、彼の目はそれよりも、結晶そのものに注がれていた。