ちょっとずつ満ちる2026年5月21日·2 分蛙鳴町奇譚 小満 二十四節気 コポー モッチー 初夏梅雨の手前の風が、龍神様の池の面をゆっくりと横切っていった。 コポーは石橋の欄干に肘をのせたまま、川沿いのしだれ桜を見ていた。花はとっくに散り、今は青い葉が枝をことごとく埋めて、川面に翳を落としている。一週間前より確かに濃い。二週間前と比べれば、もっと。けれどその変化の瞬間を、コポーは一度も見ていなかった。