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夏越の祓

2026

茅の輪のむこう

梅雨の最後の雫がまだ草の先に残る夕暮れだった。 龍神様の祠の石段の下に、茅の輪が立っていた。青草を編んだ輪はビピクの肩幅の三倍ほどもあり、夕霧の中にぼんやりと浮かんでいる。傍らの竹籠には白い紙の人形が几帳面に折り重なっていた——形代だ。半年に一度、この日の夕暮れに、祠へ向かう道を住人たちが歩いていく。