一粒の山2026年5月29日·2 分蛙鳴町奇譚 コポー モッチー ソンチョー エベレスト登頂記念日 一粒万倍日カエル山の中腹から眺めると、蛙鳴町の屋根がちょうど掌に収まる高さになる。 コポーは三度目の踏み出しで、また足が止まった。 頂上の尖り石まであと三十歩。石は雨に磨かれて丸く、蛙鳴町で一番空に近い場所だとコポーが一人で決めていた。何か大事なことを決める前に必ずここに来るのだが、急な斜面に足がすくんで、今日は朝からもう三度引き返していた。