洞窟の怪奇!冷気を生み出すものの正体

都会から少し離れたのどかな町に、カエルたちが仲良く暮らしていました。町のまとめ役ソンチョーは、毎日シルクハットのつばをくいっと上げて、「フェッフェッ」と笑いながら、みんなの様子を眺めるのが日課です。

ある夏の日、太陽がぎらぎらと照りつけ、町のみんなはグッタリ。

「あ〜、暑い!こんなんじゃ、女の子にキャーキャー言われても、汗でベタベタだ…」

コポーは、憧れの女の子たちを前にしても、汗だくで弱音を吐いていました。そこに、足が長すぎるせいで歩くたびにキザったらしいポーズになるタッチーがやってきました。

「コポーくん、君のその汗も、ボクのこの長い足にかかれば一瞬で乾くさ。ああ、しかし…この短い手じゃ頭のてっぺんに届かない…」

タッチーは、短い手をぴこぴこと頭の上で動かし、誰にも聞こえない声で愚痴をこぼしました。弟のミニコーは、兄たちの様子を見て、自分も何かできることはないかと考えましたが、短い手足では何もできず、その場でジタバタとじたんだを踏むばかり。

「こりゃいかん。このままではみんなゆでガエルになってしまうフェッフェッ!」

ソンチョーが、シルクハットをパタパタ扇ぎながら叫びました。すると、町の上空に黒い影が。みんなの捕食者であるハッシーです。

「みんな、暑そうだねぇ。そんなに弱ってると、僕に食べられちゃうよ?」

ハッシーはニヤリと笑います。しかし、今まで一度もカエルを食べたことはありません。町のみんながしょげているのを見て、ついつい意地悪な言葉を言ってしまったのです。

「ハッシー!町のみんなを困らせるなんて許せない!」

正義感の強いマスクメンが、プロレスマスクをきゅっと締め、ハッシーに立ち向かいました。しかし、シャイな性格が災いし、声が小さくなってしまいます。

「は、ハッシー!い、いけないんだぞ!」

マスクメンの迫力のない声に、ハッシーは「ケラケラケラ!」と笑いながら飛び去っていきました。そのとき、町の歌姫ケロミが、透き通った声で歌いながら提案しました。

「龍神様にお願いしてみたらどうかしら?きっと、この暑さを和らげてくれるはずよ!」

「ケロミの言う通りだ!」

みんなは一斉に、龍神様が祀られている山奥の湖へ向かうことにしました。どっしりとした体格のモッチーが、

「みんな、頑張るぞ!こんな暑さ、僕の細い目玉みたいに、細く長く乗り越えてやるんだ!」

と、お腹をタプタプ揺らしながらみんなを励ましました。足の短いミニコーや、暑さでバテ気味のコポーたちは、モチモチの体がひんやりと気持ち良いペーシャンの背中に乗せてもらいました。遠足気分で山道を登っていきます。山道を歩いていると、ひんやりとした冷気が漂う不気味な洞窟を見つけました。

「ねえ、あそこから何か聞こえない?」

オヒサマが、少し意地悪な笑みを浮かべながら言います。

「もしかして、龍神様のお怒りの声かしら?」

スパイスは、エンジニアのつなぎのポケットから何かを取り出し、クールな表情で洞窟の中を覗き込みます。

「どうやら、洞窟の奥で何かがうめいているようだ…」

すると、洞窟の奥から「ゴゴゴゴ…」と不気味な音が聞こえてきました。

「ひぃぃぃ!お、お化けだぁ!」

コポーは恐怖のあまり、その場にへたり込んでしまいました。

「コポーくん、しっかりして!女の子たちにキャーキャー言われたいんでしょ?」

ビピクが、モデルのようにスラリとした手足でコポーを叩いて喝を入れます。コポーはビピクの言葉に奮い立ち、

「よし!いざとなったら、僕がみんなを守ってやる!」

と、強気な表情で立ち上がりました。しかし、その強気もつかの間、洞窟の奥から、冷たすぎるほどの冷気が吹き出してきました。それに触れたコポーは、驚きのあまり再びへたり込んでしまいます。

洞窟の奥へ進んでいくと、そこにはキリガミネンというシロクマがいました。キリガミネンは、町の人気者になるために、大きな氷の塊を動かして冷気を町に送ろうとしていたのです。みんなはキリガミネンの優しさに感動し、涙を流しました。

「キリガミネン!大丈夫だよ!僕たちも手伝うから!」

マスクメンの言葉を合図に、みんなで力を合わせて大きな氷を動かしました。

町には涼しい風が吹き始め、みんなはゆでガエルにならずに済みました。それからというもの、夏になるとキリガミネンは町の人気者になり、みんなは洞窟に遊びに行くようになりました。

コポーは、女の子にキャーキャー言われることよりも、みんなの役に立つことの方がもっと素敵なことだと気づき、少しだけ大人になりました。