春の足音が聞こえ始めた郊外の町。エンジニアのスパイスは、町を春の装いに変えるべく、一人奮闘していた。
「うーん、この桜のイルミネーションは、もう少しピンクを強くした方が映えるかな。」
スパイスは、持ち前の器用な手先と、最新のエンジニアリング技術を駆使して、町の至る所に春の息吹を吹き込んでいった。
池の畔には色とりどりのチューリップが咲き乱れ、町の中心にある広場には、桜の木を模したイルミネーションが設置された。
しかし、急ピッチで進められた作業は、スパイスの体力を容赦なく奪っていく。連日の徹夜作業で、彼の目はうつろになり、エンジニアつなぎは薄汚れ、フードを被った顔には疲労の色が濃く浮かんでいた。
「ふぅ、ようやく終わった…。」
全ての作業を終えたスパイスは、達成感と疲労感がないまぜになった感情を抱えながら、自宅へとよろよろと帰っていった。そして、玄関のドアを開けるなり、彼はそのまま床に倒れ込み、深い眠りについた。
その頃、町では、スパイスがもたらした春の訪れに、住人たちが歓喜の声を上げていた。
「わぁ、池のチューリップ、すごく綺麗だね!」
「広場の桜のイルミネーションも、夜になったらさぞかし綺麗だろうね!」
ソンチョーを筆頭に、コポー、タッチー、ミニコー、モッチー、マスクメン、ケロミ、オヒサマ、ビピク、ペーシャン、ハッシー、キリガミネンたちは、スパイスの家を訪ねた。
「スパイス、本当にありがとう!おかげで、今年も素晴らしい春を迎えられそうだ。」
ソンチョーが代表して、ねぎらいの言葉を伝えようとしたが、家の中は静まり返っている。そっとドアを開けて中を覗くと、スパイスが玄関で力尽きているのが見えた。
「スパイス、疲れて眠っているみたいだね。」
コポーがそう呟くと、みんなは口々に
「起こさないようにしよう」
「感謝の気持ちは、手紙に書いて置いていこう」
と言い、お礼の手紙と、スパイスの好きなエナジードリンクや栄養補助食品を玄関にそっと置いた。
翌朝、スパイスは玄関に置かれたプレゼントと手紙を見つけ、仲間たちの温かい気持ちに胸を熱くした。
「みんな…ありがとう。」
スパイスは、再び活力を取り戻し、春の陽光が降り注ぐ町へと歩き出した。

