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蛙鳴町(あめいちょう)奇譚

2026

帰り道の団子

春彼岸のお墓参りの帰り道、コポーとミニコーが団子を食べながら歩いていた。 「先祖ってさ、カッコよかったのかな」 「どうだろ」ミニコーが串を回しながら言った。「兄ちゃんみたいに、不器用だったんじゃないかな」

声が出ない歌姫

三月の風が広場を横切るたびに、ケロミはくしゃみをした。 「……っくし! っく……」 「大丈夫か?」 コポーが恐る恐る近づくと、ケロミが涙目で首を振った。声が出ないわけではないが、いつもの透き通った音とは違う。かすれた空気が、言葉の端にまとわりついていた。

満塁の朝

三月の広場に、遠い都会からニュースが風に乗ってやってきた。 「満塁ホームランだって! 十三対ゼロで勝ったんだって!」 コポーが声を張り上げると、タッチーが長い足を組み替えて振り向いた。