靴の日に、タッチーは新しい靴を買いに行って帰ってきた。
「どうだ。完璧なフォルムだろう」
コポーが覗き込んだ。靴は確かに高級そうだったが、タッチーの長すぎる足の先が、靴の一センチほど飛び出していた。
「……はみ出てる」
「細部は気にするな。全体の美しさを見ろ」
「絶対つまずくじゃん」
「美しさとは時にリスクを伴う——」
言い終わる前に、石に足を取られてタッチーが倒れた。
コポーが笑い、タッチーが咳払いをした。
「裸足の方がよくない?」とコポーが言った。
タッチーがしばらく沈黙した後、「……それはそれでキザかもしれない」と呟いた。夕暮れの広場に、二つの笑い声が混ざって消えた。
余白: その夜、タッチーは靴の中敷きを自作し、足の先がぴったり収まるよう調整した。誰にも言わなかった。
【本日の雫】
- 靴の日(3月15日): 1870年3月15日、日本初の西洋靴の工場が設立されたことにちなむ記念日。