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コポー

2026

種ひとつ分の勇気

蝉の声が割れんばかりに響く蛙鳴町の軒先で、コポーは丸めた紙をぎゅっと握りしめていた。明日はいよいよ、龍神様の橋の欄干を磨く「渡り初め」の大役――大勢の前で口上を述べる、コポーにとって一世一代の晴れ舞台だ。

赤金色の八ビット

夕暮れの生暖かい風が、スパイスの工房の開け放たれた窓から流れ込み、はんだ付けの煙を緩やかに揺らしている。 作業台の上には、都会の廃材置き場から拾ってきたという、くすんだ赤と金のプラスチックで作られた手のひら大の小箱が置かれていた。細いケーブルで繋がれた二つの平たいコントローラーが、まるで小動物の耳のように左右に伸びている。